ある年のクリスマスの夜、ルームメイトが彼女とデートに出かけてしまい、俺の部屋に一人きりだった。

浴室の灯りを点け、お湯を流した。湯気が白く満ち、光が柔らかくにじみ、神のように輝いた。

リビングを隔てた部屋で、ネットをうろうろしたり、投稿を打ったり、微博に書き込んだりしていた。女が湯上がりで出てきて、俺とセックスするのを待ってるふりをしながら。ただ、お湯を出したのが俺で、浴室には誰もいなかった。

ルームメイトが帰ってきた。女の子を連れて。浴室を見て、驚いた目をした。

「誰か連れてきたの?」

正直に言うべきだった。でも真相は惨めすぎる。連れてきたと言った。

俺の肩を叩いて、いいぞ、意外だな、じゃあ邪魔しないよと言い、意味深な笑みを浮かべて、女の子と部屋に滑り込んだ。

だが実際、浴室には誰もいなかった。お湯を出したのが俺だ。しばらくして、無駄に思えてお湯を止め、自分の部屋に戻って、眠りに落ちた。

その後、ルームメイトは俺に彼女がいるのことと人に言っていた。すると人々は俺に、彼女がいるのかと聞いてきた。

どう言おうか。「はい」としか言えなかった。お湯を出したのが俺であること、浴室には誰もいなかったことは、彼らに言えるわけがなかった。

それから面倒な時期が続いた。男飲みにはもう参加できなくなった。彼女がいるって聞きつけたからだ。

「可愛い彼女のところに行けよ」とからかわれ、追い払われた。

会社で映画券が配られ、俺に2枚渡された。感謝しているふりをした。しかし、もう一人誰を連れて行けるのだろう。

そうして俺は一人で、隣の席にポップコーンが置かれていた。

「彼女と喧嘩することがあるのか」と聞かれてきた。どう答えようか。「あまり喧嘩はしない」と言った。これは本当だ。喧嘩をしたことがないのだ。

時々、彼らは俺の彼女を見かけないので不思議がっていた。「なぜ見かけないの」と。しかも率直な女の子たちは、「君、彼女に何も買わないじゃないか」って、さらに「喧嘩もしないなら、もうすぐ分かれるんじゃない」と言った。

それから彼女たちに引っ張られ、かわいい小物をいくつか買わされた。中にはまじでいいのもあった。彼女に渡せば喜ぶだろう。

後になって、彼らは結局俺の彼女を見かけなかった。一度もなかった。どうしたものか。浴室に誰もいなかった、お湯を出したのが俺だ、と言うのか。

言えなかった。仕方なかった。それで生理ナプキンをいくつか買った。珍しい型のものを。それにリップクリームと、ファンデーションも。

人が俺の部屋に入ってきた。「これは誰の」と。

あっ、俺の彼女のだよ。時々ここに泊まるから、彼女のものを少し準備してあるんだ。例えばあの生理ナプキンとか、好んで使ってるタイプのやつだ。

女の人がそれに聞いて、涙を浮かべてきた。彼氏の袖を引っ張った。「ほら見てよ、あいつみたいに」と。すると彼氏も、気まずそうな顔をした。

誰が信じまい。誰が俺に彼女がいると信じないだろう。

というのも彼女は性格がちょっと変わってるんだ。だったら人前に出るのを嫌がるだけなんだ。

俺はちょくちょく、生理ナプキンにコーラを垂らして、トイレのゴミ箱に捨て、出勤前にファンデーションを少し取って、顔に塗っていた。

もし毎日部屋を撮影するカメラがあったら、その品物が日ごとに減っていく様子が映っていただろう。目に見えない彼女がここに暮らしているかのように。

誰かも俺に彼女がいると思っていた。浴室に誰もいなかったことや、お湯を出したのが俺だということ、誰にも気づかれるはずがなかった。

また、長い時間が過ぎた。

うちのボスが俺をオフィスに呼んだ。心配そうな顔をして、わけのわからないまま一日休暇をくれたんだ。隣のデスクにいる女の子二人が、気の毒そうに俺を見て、励ましてくれた。俺みたいいい男なら、きっともっと良いのが見つかるよ、って。

その時初めて、誰かが俺が一人で映画館に行ったところを見ていたんだと知った。一人で二人分の席を買っていたこと、映画の途中で泣いていたところまで、全部目撃されていたらしい。

ああ、なるほど。俺は失恋したんだな。あの映画、かなり感動的だったのに。

マジで自分にキレてやりたくなった。これはずっと前から、簡単に解放される道だったのだ。早くこう言っておけばよかったのに。ただ生理ナプキンとファンデーションが安かったというだけで、気づかないうちにずいぶん長い時間を過ごしてしまった。

すると俺は自分の髪をぐしゃっと掴み、苦しそう顔のまま遠くを見つめてぼそぼそと呟いた。彼女たちがまた口を押さえ、鼻をすすり、顔を背けた。中には堪えきれずに泣き出してしまう子もいた。

俺は泣かなかった。俺は俺の彼女に何の感情も抱いていなかったかのだ。

また一人になった。慰め飯を二度食ってから、すべてがいつもの静けさに戻った。そしてある女の子が俺に彼女を紹介しようとしてくるようになった。

「彼、彼女のためにナプキンまで買ってるんだって!」彼女たちは飽きもせずに話し続け、俺の知らないような惚気話を次々と披露した。「そうでしょう?」と、紹介された女の子がこちらを向いて聞いてきた。

どうしようもないな。「うん」と言うしかなかった。まさか浴室に誰もいなかったのに、お湯を出したのが俺だなんて、彼女に言えるわけがないじゃないか。

その子と二回出かけた。やがて、やんわりとフラれた。

「君の心、なんだかぽっかり空いてるみたい。私、あなたはまだ彼女のことが好きなんだと思うの。私にその穴を埋められる自信がないわ⋯」と彼女に言われた。そして別れ際に、目を赤くしてそっと俺を抱きしめてくれた。

いいやつだったね。その後、誰も俺に女の子を紹介してくれなくなった。

彼女にそう言われて、俺は急に元カノのことを恋しく思い始めた。そしてハッと気づいた。俺には元カノなんていなかったじゃないか。

浴室に誰もいなかった。お湯を出したのは俺だ。

またクリスマスが来た。例のルームメイトが今度は別の女の子を連れて出かけた。俺は一人で部屋にいて、ネットしてた。

あの時俺はふと思った。あのクリスマスの夜、俺は結局何のために浴室のお湯を開けたのだろうか。

一人でタバコに火をつけ、薄暗い明かりの中で、妙に寒く感じた。長い間考え込んで、急に思い出した。俺はただ、自分だけの女の子を、想像していただけだったんだ。

抗えきれず、灯りを点け、お湯をひねった。浴室はたちまち湯気で満ち、光が柔らかくにじみ、神のように輝いた。

そこへ、ルームメイトがあの女の子を抱きかかえて帰ってきた。浴室を見て、最初は不思議そうな顔をし、次に目開いて嬉しそうな表情を浮かべた。

「おっ、彼女が戻ってきたのか!?」

女の子も一緒に目を輝かせ、興奮気味に聞いた。

「君が言ってたあの子か?彼の元カノってあの子のことか!?」

二人の様子が一変した。リビングで大喜びでぴょんぴょん飛び跳ね始めた。まるでヨセフとマリアのようだった。

「いや」と俺は言った。

「浴室に誰もいない。お湯を出したのは俺だ。」

非原作者。原文

N3水平,AI+人工


AutoModerator · 2026-04-25 12:59:21 UTC · +1 · oi6wu8x · Mod ·

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Odd_Glove_3938 · 2026-04-25 13:28:50 UTC · +3 · oi71y7u ·

文豪過ぎる

登場人物皆良い人でアンジャッシュするの好き